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国家観見えぬ「石原伸晃総理」で国は救われるかー自民総裁選(1)

  日本の最高指導者に求められる最も大切なものとは何であろう。 国民の安全と生存のために、日本をどのような国にすべきかというしっかりした哲学と構想を持ち、その哲学・構想に向かって国全体を強力に引っ張っていく リーダーシップではないだろうか。
  国家観や歴史観ともいえるものであり、国の繁栄、国民の幸福実現のための国策の基本となるものである。 最高指導者に求められるものとは、まさにこの哲学・構想であり国家観であろう。

 この構想を実現するには、指導者としての人格と識見、確固たる信念、強靭な意志、そして統率力と実行力が必要なことはいうまでもあるまい。
  戦後の歴代内閣総理大臣や政党党首の中にも、そういう哲学や国家ビジョンを持った指導者が少なからずいた。 残念ながらそれを実現するためのなにかが欠けていて、志なかばで退場してしまった指導者は非常に多い。


  今回の自民党総裁選の候補者をみると、このような指導者像にぴったりする理想的な政治家はなかなか見当たらないようだ。
  そのなかで有力候補の一人とみられるのが石原伸晃幹事長であるが、伸晃氏には指導者としての国家観が見えないという懸念がある。これまでの氏の言動には哲学や構想を感じさせるような重みがなかった。したがって伸晃氏が確固とした国家ビジョンや信念、哲学を持った政治家であるとは、思えないのである。

  石原伸晃氏は、長老を敬い重んじる“バランス型”の政治家である一方、幹事長にしてもらった恩も忘れるような“謀反者”だなどと皮肉られる面もある。しかしこのような話は枝葉末節だ。
  最高指導者を目指す者にとって重要な資質は、国家観や哲学を国民に熱く語り、強くアピールできるということではないか。
  氏が“政策新人類”と云われる“若いかっこ良さ”も 最高指導者には無縁の話だ。 国家危急存亡のとき、総裁・総理として強力に国家を指導していくには、軽すぎるという印象を受けるのである。


 

・・伸晃氏はポピュリスト的な、リベラル新人類だ・・
  伸晃氏は、いわゆる「政策新人類」の代表格といわれてきたが、強固な信念をもつ政治家というよりは、世論にウケていたいポピュリストだという印象の方が大きい。

  氏は、金融・財政の事務の調整の経験があることから、金融・財政のスペシャリストだともいわれる。
事務処理や調整など、戦術的技術的な能力に
長けているということであろう。しかし、
党や政府の要職にありながら、氏の口から国家ビジョンや内政・外交上の戦略的な主張が聞こえてこないのが残念である。
世論やマスメディアから、「チャンスに打てない中軸打者」と揶揄されたり、「お坊ちゃま」ゆえに「打たれ弱い」と評されることがあった。


  今回の総裁選における発言では、尖閣諸島問題に関して、中国との対話を重視すべきだ、事前に打ち合わせるべきだったと、根回しの必要性を主張している。しかし、あの中国相手に対話だけでうまくいくとは考えられない

  対話重視で失敗した例は、これまでの自民党や民主党政権の軟弱外交であまた証明されている。
外交交渉で日本は長年相手のいいなりになり、特に中国には手玉に取られてきた。主権を侵されても日本がなにもしないと分かっているから、足元を見られ、完全になめられるのである。
  安倍晋三氏や林芳正氏にくらべて、石原伸晃氏はリベラル色が強い。云うべきことも抑えて云わぬリーダーでは困るのである。伸晃氏には是非このことに留意してもらって、中国に毅然と立ち向かえ
る強い指導者になってもらいたいものだ。

  今回の自民党総裁選では、投票権者たる党員や国会議員諸氏の責任が極めて重い。どの候補者が国難に立ち向かえるか、国を救う高い志があるか、強い意志をもっているかという観点から選挙が行われなければならない。
  旧態依然たる長老支配や派閥の論理とか、国益より私益・派閥益優先で総裁を選出するなど、あってはならないことだ。古い自民党体質から一日も早く脱却して、日本の危機をどう克服するかという高い見地から総裁を決めてほしい。


-石原伸晃氏の問題発言を以下に附記しておく- 
1・『尖閣諸島』
  尖閣の国有化に関連し、領有権を主張する中国側が「攻め込んでくるのでは」と問われ、「中国は攻めてこない。誰も住んでいないんだから」と断言した。後であわてて釈明したが、中国首脳の強硬姿勢を見るまでもなく、こういう発言は国家指導者として致命的だ。国家主権に関わる領土問題について認識の甘さを露呈した格好だ、と新聞にも書かれている。
 
  また政府による尖閣国有化を「虎の尾を踏んだ」と評したが、尖閣奪取を強める中国をどうみているのか。中国を虎のような強大な国と畏怖し、日本は弱小だと卑下している。なんとも卑屈である。
2・『慰安婦・河野談話』
  河野談話について「談話は非常によくできている」「広義においてはそういうこと(強制連行)もあったんではないかとうかがえる文面になっている。そこに知恵があった」と述べた。徴集命令を裏付ける証拠資料がないにもかかわらず、推定で強制連行を談話にしたという議論の初歩的部分を誤解している。韓国を増長させる間違った発言だ。
  慎太郎東京都知事の「河野のバカ」発言とまるで違う。知事は旧日本軍の従軍慰安婦問題について「日本人が強制した証拠がどこにある。・・・ 貧しい時代、(慰安婦は)嫌々じゃなくあの商売を選んだ」と述べた。 その上で、慰安婦問題を謝罪した1993年の河野官房長官談話について  「訳も分からず(韓国の主張を)認め、ばかだった」と指摘した。
3・『首相の靖国神社参拝』
石原氏は「天皇陛下のご親拝の実現」の必要性を挙げ首相参拝には言及しなかった。参拝をやる気はないと思われる。

4・『原発事故 土壌汚染処理問題』
福島第一発電所を第一サティアンと発言した。「サティアン」は、オウム真理教がサリンや自動小銃などを製造、武装化を進めた教団関連施設の呼称に使用されていたこともあり、東日本大震災の被災者やオウム事件の被害者に対し配慮を欠く発言だ。彼の「サティアン」発言は過去にもあり、今回だけではない。
また、「あれだけ大きな事故があったので、集団ヒステリー状態になるのは心情としては分かる」とも述べている。
5・その他失言例
講演にて、アメリカ同時多発テロ事件について「産業革命から続いた西洋文明、キリスト教支配に対するイスラム圏の反逆で、歴史の必然として起きた出来事ではないか」と述べた。
 「ナマポ」(生活保護のネットスラング)とも言った。指導者としての資質がないと思いたくなる失言である。
  石原氏は文学部卒の文学士であり、テレビ報道記者であった。言葉で表現する才能が豊かである。 その才気故に失言が多いのかもしれない。


  石原伸晃氏が総裁選に勝利する可能性はあると予想される。しかし総裁・総理の椅子を勝ち得たとしても、このまま変わらない氏である限り、領土問題など外交防衛での処理につまずき、短命に終わる可能性がある。日本にとって不幸なことだ。
  そうならないように、日本の国際的な地位を強化できるリーダーに君子豹変してもらいたいものだ。 伸晃氏には強力なリーダーシップを発揮して、日本の誇りを取り戻してもらいたい。長老受けと調整能力、ただそれだけでは困るのである。失言癖・軽口に是非注意して日本のために頑張ってもらいたいものである。

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