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「石破総理」で日本の誇りは大丈夫か -- 自民総裁選(2)

  きょう午後に自民党の新しい総裁が誕生する。今回の総裁選では党員に人気がある石破茂氏が全国的に支持を広げており最有力と予想されている。石破氏にとって一番の追い風は、このところの周辺国との領土摩擦であろう。 最有力候補である石破氏には、大いなる期待と大いなる懸念が交錯する。

  世論調査では、石破氏の領土問題打開に期待する声が圧倒的に多い。いま国難を考えるとき必要なのは防衛への正しい見識である、国防意識を喚起できるのは石破氏しかいない、氏なら中国や韓国に毅然と対応できる などがその主な理由である。

  石破氏は自民党きっての防衛政策通として知られている。街頭演説においても、集団的自衛権行使の容認、領土領海法の整備、海兵隊創設、海自陸自の北海道展開能力増強、北方四島返還など、
歯切れのよい施策を打ち出している。いずれも日本が取り組むべき重要問題ばかりである。国土を守り国民の生命をしっかりと守るためにも、言うだけに終わらず是非断行してもらいたい。石破氏に期待するところ大なる理由がここにある。

  石破氏について世間では、タカ派で自民党を代表する保守派政治家だと見るむきが多い。しかし実は、氏は歴史認識において元々左翼リベラルであるといえよう。主張には社民党や共産党など左翼的な政党と驚くほど同じところがある。歴史認識ではむしろ左翼だというのが、氏の本質ではないか。

 

  中国は、このところ急に歴史問題とからめて尖閣諸島の領有権を主張し対日批判を繰り広げるようになってきた。従来も日本への圧力として 「歴史カード」 を切ることが多かった。また韓国は国中が歴史問題で溢れており、日本に対して“歴史狂乱状態”にある。石破氏がトップリーダーになった場合に抱える問題はまさにこの歴史認識の問題であろう。

  中国には謝罪せよ、先の大戦は侵略戦争であったと主張し、慰安婦への軍の関与もあったと主張する石破氏が、領土問題での中韓からの歴史攻勢に毅然とものがいえるのか、懸念せざるを得ないのである。

  これまでの経緯が示す如く、中国韓国への謝罪にはとどまるところがない。謝罪すればするほど要求がエスカレートしていく。この悪循環を断ち切るには、正しい歴史事実を国際社会に向かって断固主張し続けていくしか方法はないのだ。中韓は石破氏の歴史認識と領土防衛強硬論との矛盾点を突き、繰り返し執拗に攻めて来るに違いない。石破氏は前言を修正するのか、日本の誇りをどう保ち処理するのか、大いなる懸念がある。

  石破氏は党政調会長の経験もあり、防衛相や農水相などの閣僚経験も豊富だ。ものいう閣僚としてその職責を果たしてきたし、実績は評価できる。
  しかし総理になった場合と一般閣僚では話が全く違ってくる。総理という一国の最高指導者の言動は、過去の言動も含めて日本を代表する国家的な意思表明となる。これまでの氏の歴史観が外交に悪い影響を及ぼさないか、非常に懸念されるのである。

  海兵隊創設などと正論を吐いて勇ましいが、今の氏の歴史認識のままでは、中国韓国に対して、毅然たる態度をとることができないのではないか。非常に気になるところである。
  街頭演説で、石破氏は「我が国には、領海を守る規定もないし、中国にいる邦人を守る規定もない。このようなことで領土を守り、国民を守れといえるのか。あれこれ言う前に日本の体制を整備していかなければならない」と述べ、憲法改正に言及した。正論であり全くその通りだ。指摘するだけでなく、是非実行してもらいたいものである。


石破氏のこれまでの発言や主張を以下にあげておく。 氏のリベラル左翼的な本質があらわれている発言ばかりである。これを自虐史観だとする見方もある。

(1)教育基本法に愛国心を明文化することに反対の姿勢を示した。「愛国心は国が政策面で強制するものではない」というのが理由である--朝日新聞の論壇誌『論座』で主張
(2)先の大戦は日本による侵略戦争であったとの認識を示している。 第二次世界大戦は間違いであった。国民は騙された。日本人が大東亜共栄圏の建設を主張したことは、侵略戦争に対する一種の詭弁だ
 (注1・中国共産党系の新聞「世界新聞報」-2008年1月29日-
(3)「南京大虐殺」があったと主張する。日本には南京大虐殺を否定する人がいる。三十万人も殺されていないから南京大虐殺そのものが存在しないという。何人が死んだかと大虐殺があったかは別問題だと発言した( 注1・同上 )
(4)靖国神社への参拝に反対している。内閣総理大臣の靖国神社への参拝に反対を表明し、靖国神社からの「A級戦犯の分祀」を主張している。 
私は防衛庁長官時代にも靖国神社を参拝したことがない。第二次世界大戦の時に日本の戦争指導者たちは、何も知らない国民を戦線に駆り出し、間違った戦争をした。だから私は靖国神社に参拝しない、あの戦争は間違いだ、多くの国民は被害者だ 」 ( 注1 )
  首相となった場合に靖国神社に参拝するかについては、「天皇陛下のご親拝が実現するために務めるのが政治の使命だ」と型通りの発言をした。


(5)
慰安婦に関する河野談話を肯定する発言をしている。「日本には慰安婦についていろいろな見解があるが、
日本軍が関与していたことは間違いない」と発言している ( 注1 )
(6)中国は日本に対する脅威ではない(中国は日本に対する脅威であるから対中防衛を強化せよという人たちは)何の分析もしないで、中国は日本に対する脅威だと騒いでいる ( 注1 )
(7)日本は中国に謝罪すべきだ ( 注1)

(8)北朝鮮への単独制裁に対して疑問を呈している ( 『論座』2006年8月号 )
外交問題では硬軟織り交ぜた主張をとっており、「タカ派」というわけではない。『論座』にも寄稿して保守強硬派を批判している
(9)防衛省の航空幕僚長であった田母神俊雄氏の論文問題に関して、「現職の自衛官が自らの思想信条で政治をただそうというのは、憲法の精神に反している」と指摘。自身のブログでも「田母神・前空幕長の論文から思うこと」「文民統制」という記事を投稿し、かつての部下である田母神を批判した

注1・中国共産党系の新聞「世界新聞報」(2008年1月29日 に掲載された石破茂防衛大臣の発言、取材は平成19年11月21日に行われた )

 

【 参考文献 】
● 渡部昇一  石破防衛大臣の国賊行為を叱る 
           Will 2008年6月号 ー抜粋ー
 
  石破防衛大臣にしても、外務省にしても、東京裁判史観に侵されているからこそ、中国に対してひたすら謝罪し、日本を貶める発言を続けているのだと言えます。・・・

  中国という国を相手に、石破氏のような防衛大臣率いる自衛隊がどうやって奮い立てるのか。中国共産党系 の新聞の独占インタビューを受け、「謝罪すべき」という言質を取られれば、中国政府のプロパガンダに使われることは疑う余地もありません。・・・

 自衛隊は謝罪しながら国防に当たるのか。そんなアホなことを防衛大臣は部下に要求するのか。
 しかも、石破氏は現役の防衛大臣です。10年以上、軍事費を二桁成長させている中国に対して、朝日新聞も驚くような「謝罪外交」をする人物に日本の防衛は務まらない。辞任すべきでしょう。石破氏が防衛大臣では「日本が“自分が悪い”と思っているなら尖閣を寄こせ」とばかりに中国軍が出てきて東シナ海、果ては沖縄まで獲られる可能性がある。
 日本の対中外交における諸悪の根元は、すべて東京裁判史観にあります。対中外交を正常化させるためには、日本の政治家や高級官僚たちがパル判事の判決書に沿った歴史認識を持つことが重要です。
 パル判事は後に、「東京裁判は原爆よりも永く日本人を傷つけるであろう」という主旨のことを言っていますが、今回の石破発言を見ると、正にその通りですね。 』

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