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アメリカに拒否された”特使”

国益に反し鳩山政権に意見する
甘い”外交ブレーン”


つくづく国のトップのブレーンは大切だと思う。特に国益に直結する外交ブレーンの意見は重要だ。鳩山首相の場合はブレーンの意見をほぼそのまま取り入れているようであるから。

”対等な日米関係”や”東アジア集団安全保障体制”など、首相の論文や考え方は”外交ブレーン”といわれる人の意見を踏襲したもののようだ。これについては、前回のブログ「天上大風から日米中を見て」でも述べた。

この”ブレーン”は穏健保守派と言われた人だが、いまや日本の国益に反して、鳩山内閣を”誤導するブレーン”となっていると言って良いだろう。

団塊の世代
鳩山首相は”堺屋太一氏の団塊の世代(1947-49年生)”に属する指導者だ。
「竹島はいっそのこと韓国に譲ってしまったら」で有名になったリベラル”親韓派の論客”もそうである。
この”論客”の父は鳩山一郎氏の首相秘書官であった。なんとなく二人が重なって見えるのは天上大風だけの偏見であろうか。

戦後教育や民主主義思想の強い影響を受け、高度経済成長・3C(カラーTV・クーラー・車)時代に大学紛争を経験したこの年代の人には、安保闘争時代の青春の夢を追い続け、戦後レジームからなかなか脱却できないでいる人も多いようだ。
首相がそういう人だとは言わないが、二人には安田講堂落城を経験しているという同時背景がある。

どうやら分かってきたことであるが、首相はこのような時代に”流行”した「知的・進歩的思想」の持ち主ではないかということだ。
”対等な日米関係””常駐なき日米安保”や”東アジア共同体””友愛外交”などがそれに通じていると思う。そう考えると首相就任後の言動が納得できる。

国益を考え首相として身体を張って国民を引っ張って行くという、断固たる信念を持っているとはとても見えないのだ。
自らの考えを表明しないのも、外交安全保障が内政と同等以上に重要問題だということを理解していないからではないか。

発表した論文も言動も、独自なものはなく、殆ど”外交ブレーン”の言っている通りのようである。
したがって天上大風が言いたいことは、鳩山内閣の場合、特にブレーンなる人の責任が重大だということだ。

ところが、この”ブレーン”も首相と同じ団塊の世代の人である。   
 ー決して団塊の世代が全部そうだと言うのではない。ー
この人は民主党が野党だった頃は穏健な保守派だと見られていたが、政権交代で”反米リベラル派”の本音を出してきた人だ。自民党がやってきたことは一度全部否定して出直せと言うのである。自民党には、良いも悪いも混ぜて、色々あったのであるが。

この人については、良くない印象が残っている。
安倍内閣は短命であったが、戦後初めての教育基本法改正や防衛庁の省昇格、憲法改正国民投票法、新教育三法などの重要法案を成立させた。他の内閣ができなかった長年の懸案を、短期間にこれだけ成就したことは画期的だったと言える。

特に教育基本法は、日教組で荒廃した戦後教育を立て直すための必須改正案件であった。民主党は愛国心に踏み込んだ自民党よりも良い法案を提案していたものだ。
にもかかわらず、この”ブレーン”はTV番組などで、これらの国会決議を”数の横暴”だと強く非難した。

中国の核の傘の下に入るか
さらに、先月8日頃のTBS放送だったが、”東アジア共同体”の”集団安全保障体制”で、日本がアメリカの核の傘に入るか中国の核の傘に入るか等を含め、これまでの日米同盟を全部いっぺん洗い直すべきであると言い出したのである。これには本当にびっくりしたと同時に、気分が悪くなってしまった。
さすがに同席の野中広務氏もこれには同意しなかった。司会は御厨貴教授だ。

”日米は対等”とか”東アジア共同体””いっぺん全部洗い直す”という言葉が好きな評論学者だ。しかし”共産党独裁国の核の傘に日本が入るかどうか”という意味の文言まで口に出すのである。

彼は小沢氏とも親しく、民主党議員の会合によく呼ばれて講演している。党全体がだんだんと離米傾中してバランスを欠くようなことにならなければ良いと切に願うものである。

”ブレーン”氏は12月始め、「鳩山首相への誤解を解く」という趣旨で、”特使”としてワシントンを訪問したが、米政府当局に面会を拒否された。反米傾向だし、日米同盟を軽視する姿勢が強いので、相手にされなかったといわれる。
日本側の外交筋のなかでも、同氏の米政府面会に反対して動いたという人達もいたようである。

このままでは、判断を誤ると考えたのか、首相も知米派の岡本行夫氏に目をつけたようだ。11日と21日に岡本氏を官邸に呼んで意見を聞いている。首相の行動日誌が新聞にある。岡本氏は橋本・小泉内閣で首相補佐官をつとめた人で、野党時代首相は岡本氏を批判してきたといわれるが、日米同盟の重要さを熟知しバランスしている外交評論家だ。
問題ある”反米ブレーン”は乗り換えるべきである。

首相たるもの、ブレーンがいてもいなくても、強烈なリーダーシップで国策を推進するのが当たり前であるが、残念ながら我々はそのような指導者を選べるところまでなっていない。
ならば、ここ当分は国益を助言できる力のあるブレーンに登場してもらうべきだ。

現在の”ブレーン”はそういう人ではない。共産党独裁国をアメリカと等値し、日本が軽武装のまま入る”甘い東アジア安全保障体制”を描くような”軽いブレーン”は、日本の国益にならず、早く退場してもらわねばならない。

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